ヨーゼフ・マルティン・クラウスのヴィオラ協奏曲 [クラシック音楽]
ヨーゼフ・マルティン・クラウス (1756-1792)は、ドイツ生まれの音楽家です。1781年にスウェーデンのストックホルムのグスタフ3世に宮廷作曲家として仕えることになりました。以後亡くなるまでこの地で過ごすことになります。
若くして亡くなったためかスウェーデンンのモーツァルトと呼ばれることもあります。ただか彼の音楽を聴く限り、モーツァルトのような優美な音楽でなく、力強い劇的な音楽を書いています。どちらかと言うとベートーヴェンの音楽に近いかもしれません。当時としては珍しく短調を多く使って作曲しています。交響曲の中には嬰ハ短調で作曲されているものもあります。
しかし、かなり聴き応えのある音楽を作曲している割にはあまり有名ではありません。やはりウィーンから遠く離れたストックホルムで活躍していたからかもしれません。スウェーデンの人には悪いと思いますがやはりヨーロッパの、そして音楽の中心から見てみるとやはり片田舎になるのかもしれませんね。
もし、クラウスがウィーン若しくはその周辺で活躍していたらひょっとしたら音楽史にモーツァルトと共に名前が残ったかもしれません。正直初めてクラウスのシンフォニーを聞いた時、そう思いました。
上記のCDはクラウスのヴィオラ協奏曲集です。
曲目は、ヴィオラ協奏曲変ホ長調、ハ長調、ヴィオラとチェロのための協奏曲ト長調が収録されています。
この3つの作品は、ルンドの大学図書館に保存されていいましたが長い間作曲者不明のままだったのが最近の研究によりクラウスの手によるものだと断定されたそうです。
当然、上記のヴィオラ協奏曲集は世界初録音ということになります。
音楽の方は、シンフォニーのような劇的な表現を避けて、ヴィオラ特有の美しさを前面に出して結構優美な曲になっていると思います。
この先、ヴィオラ奏者の大切なレパートリーになることでしょう。
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