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カルミニョーラ録音のヴィヴァルディの後期ヴァイオリン協奏曲集について [クラシック音楽]


ヴィヴァルディ:後期VN協奏曲

ヴィヴァルディ:後期VN協奏曲

  • アーティスト: カルミニョーラ(ジュリアーノ),ヴィヴァルディ,マルコン(アンドレーア),ヴェニス・バロック・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 2001/09/05
  • メディア: CD


ヴィヴァルディ:後期ヴァイオリン協奏曲 第2集

ヴィヴァルディ:後期ヴァイオリン協奏曲 第2集

  • アーティスト: カルミニョーラ(ジュリアーノ),ヴィヴァルディ,マルコン(アンドレーア),ヴェニス・バロック・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2003/02/05
  • メディア: CD

まず初めに、私は、カルミニョーラというヴァイオリニストとヴェニス・バロック・オーケストラとをつい最近まで知りませんでした。

たまたまYouTubeでvivaldiの演奏動画を色々と見ていた時に、カルミニョーラとヴェニス・バロック・オーケストラによるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲の演奏の動画を見つけました。

アップしているのが多分日本以外の国からだと思いますが、著作権上はたして許されるのかと疑問がわきます。しかしだからと言って悪いのかと言い切るのも難しい部分があります。

クラシック音楽の演奏会のビデオ動画の録画、若しくはラジオ用の録音をする時、結構CD録音された曲を演奏する場合があります。演奏会が先かCD録音が先かはわかりませんが、CD発売前にテレビ若しくはラジオで演奏会の様子が放送されます。ある意味プロモーション的要素、つまり事前宣伝の要素が演奏会録音にあるわけです。

上記のカルミニョーラのヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲の演奏録画も同じことが言えます。YouTubeにアップされていた動画は、上記のCDに収められている曲から何曲か選んで演奏されていました。そして私みたいなバカがそのYouTube動画を見て上記のCD2枚を買うことになるのです。そう考えるとはたして著作権をどこまで侵害していることになるのかと言うことになります。まあ難しい話ですが。(付け足しで言うと、YouTubeの音質もそんなに良くないのも理由のひとつです。)

カルミニョーラという人はバロックヴァイオリンの名手だとネットで知りました。今のところ私はそれだけしか知りません。

さて、カルミニョーラとヴェニス・バロック・オーケストラによるヴィヴァルディの後期ヴァイオリン協奏曲についてです。

一応、CD2枚に6曲づつ12曲が録音されています。lastという単語を日本語訳にすると確かに後期ですが正確に言うと最晩年に書かれたヴァイオリン協奏曲と言う方が正しいと思います。

はじめに聞いた感想ですが、確かにヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲なのですが作風が若かりし頃と比べるとやはり変わっています。「四季」や先品3の「調和の霊感」を聞いた耳からすると確かに作風に変化があることがわかります。

はじめは、カルミニョーラのアドリブかと考えていました。カルミニョーラ自身バロックヴァイオリンの名手だからです。最近の流行かどうかは知りませんが、かなり原曲にアドリブを加えて録音しているCDを聞きますが、ソロはともかくとして合奏の部分にもアドリブを入れて演奏するのはやはりやり過ぎのように思えるからです。

しかし、全曲ではありませんが、ネットでスコアをチェックしたところ、意外や意外カルミニョーラとヴェニス・バロック・オーケストラの演奏スタイルは、オーソドックスそのものでした。言い換えると楽譜に忠実に演奏しているのです。言い方を変えるとヴィヴァルディがそれだけ音符を書き込んでいるということです。特に第2楽章にそれが言えます。聞いている者にアドリブを思わせるくらいの書き込みをしていました。

ヴィヴァルディはある時期から自分の作品に手を加えられるのを嫌いだしたとネットに書いてあるのを見つけました。

元々、バロック時代の音楽は、作曲者が音楽の骨格を書き、奏者がそれに枝葉を付けて演奏するのが普通でした。イタリアバロックの大家コレルリの作品は2部形式を採用していました。はじめは原曲道理演奏し、繰り返しでは奏者のアドリブを認めていました。実際コレルリ自身が書いたアドリブの楽譜が見本として残っています。

ヴィヴァルディ自身若かりし頃は、それを許していたようですが、晩年は音楽家としてのプライドがそれを許さなくなったのかもしれません。

晩年は、ドイツのドレスデンの宮廷との結びつきが強かったためか何度かドレスデンの宮廷を訪問しています。多分ドレスデン以外の地にも訪問していたのでしょう、結局最後はウィーンで客死しウィーンで埋葬されました。ウィーンがまだ「音楽の都」と言われる前の話です。晩年は、生活に困っていたという説がありますがはたしてどうなんでしょうか私はどちらかと言うとその逆だったのではないかと思っています。

さて、話を元に戻しますが、CDに収められているヴァイオリン協奏曲の何曲かは旧作からの転用があります。例えば第1集の冒頭に収められている協奏曲ハ長調の協奏曲(RV177)の第1楽章は、オペラ「L'OLIMPIADE」の冒頭のシンフォニアの第1楽章をアレンジしています。その次に収められている協奏曲ニ長調の終楽章も弦楽と通奏低音のための協奏曲からの転用されています。これ以外にも旧作の転用があるかもしれませんが、残念ながら私はヴィヴァルディの音楽すべてを知っているわけではないのでこれ以上の事を言うことはできないのが現状です。何せヴィヴァルディのはあまりにも多くの作品を書きヨーロッパ中に配布したので、未だに知られていない作品が見つかったとしても不思議ではないからです。

あまりにもダラダラした話が続きました最後に

はじめにカルミニョーラとヴェニス・バロック・オーケストラの演奏が最高かと言うとイマイチ疑問が残ります。オーソドックスな演奏と言いましたが、それはあくまで楽譜に対して忠実に演奏していることを言っているだけのことであって演奏スタイル自体どうかなあという疑問は残ります。他の団体(モダン楽器、ピリオド楽器は別にして)も録音して比較できるようになればそれなりの評価はできるのでは、と思います。

ふたつめは、カルミニョーラの成果だと言えると思いますが、ヴィヴァルディの知らない部分を知ることができたことです。もしこのCDが発売されていなければ、私のヴィヴァルディに対する考え方は変わらなかったと思います。正直、ヴィヴァルディの音楽に対する接し方の変化を知ることができてよかったということです。

この先、私の知らないヴィヴァルディを探す目的ができたと言ったら言い過ぎでしょうか。未知のヴィヴァルディの作品も数多くありそうだし、未だに演奏会やCD録音されていないヴィヴァルディの作品が数多くあります。もしそれらの作品を彼の生涯に照らし合わせながら聞けたらヴィヴァルディの音楽に対する変化等を知ることができてうれしいのですが・・・。

皆川先生に聞きたい気もしますが・・・・・。これは個人的感想です。


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