音楽CDの寿命 [クラシック音楽]
どんなものでも寿命がある。人間もそう、この宇宙も・・と言いたいところですが、さすがにこの先宇宙はどうなるかは私には分かりません。(永遠に広がり続ける可能性があるかもしれませんと言いたいところですが?)
今回の話は、そんなに大きな話ではなく、音楽CDの寿命についてです。
音楽CDの寿命は、基本30年と言うことになっています。もっともあくまでこの年数は目安であってCDによってはそれより短い時間で寿命を迎えるものあればそれよりも長い寿命を持つCDがあるかもしれません。
私が、クラシックCDを集めだしたのは、ちょうどソニーがCDウオークマンを発売したころでした。今ではデジタル録音が普通に言葉として使われていますが、正確にはPCM録音が正式な名称になります。しかし残念なことにこのPCMと言う言葉は商標登録されており、あるメーカーを除いてはこのPCMと言う言葉を使うことはできなくなっています。つまりレジタル録音という言葉は苦肉の策で生まれた言葉と言うことになります。多分商標登録はこの地球上ではされていないと思いますが。
どうも酔っぱらいながらブログを書いているためか、話がそれてよくありません。本来の音楽CDの寿命についてに戻ります。
私の好きなCDに、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏のマーラー交響曲第9番があります。カラヤンには珍しくライブ録音をCD化したものです。
久しぶりに、このCDを取り出して聞こうとしたら、タイトル表記した面に異常があるのを見つけました。異常と言うのは、タイトル面の文字が消えかかっているのです。あわててディスクを電球の光にかざしながら裏面から覗いてみると、一ヶ所に集中して星のような光の粒が見えました。ちょうどタイトル文字が消えかかっている所と同じでした。再生した所、音飛びなどの異常はありませんでしたが、たぶんこのまま時間が過ぎれば再生できなくなると思います。
CDの場合、レンズからレーザー光線をあたる面にキズが入った場合、そんなに深刻なキズでなければ、再生に問題ありませんが、タイトル面、すなわちアルミ蒸着面にキズが入るとほとんど再生できなくなります。どうも30年過ぎたあたりからこのアルミ蒸着が剥がれ落ちるようになるようです。つまり音楽CDとしての寿命が尽きることになります。
すべてCDがそうなるわけではありませんが、やはりなるべく早くバックアップを取っておかないと新たにそのCDを買い直す必要がありそうです。ただし再販されていて入手可能な場合に限りますが。(一部のCDは、バックアップ、つまりパソコンに録音できませんので注意が必要です。)
本棚を、何気なく眺めていたら懐かしいCDを見つけました。再生しようとCDを取り出したら・・・。
その時、自分自身の歳を思い知らされることになるかもしれません。年老いた自分を。
マーラーの交響曲第9番は、いわゆる黄昏時の音楽になります。マーラー自身心臓病を患っていました。ベートーヴェンをはじめ交響曲を9曲作曲して亡くなっているパターンが多くあります。マーラー自身もそのことをひどく気にしていたらしく、第8番の「一千人の交響曲」を作曲した後、「大地の歌」を作曲します。本来ならこの曲に交響曲第9番と名付けるべきだったかもしれませんがマーラーはそうしませんでした。結果やはり交響曲第9番をマーラーは作曲した後、第10番の交響曲に取り掛かりますが第1楽章を未完の状態ままで亡くなりました。現在ある交響曲第10番の第1楽章は、後年補筆されたものです。
カラヤンが、ライブをCD化するのは珍しいケースだと思います。カラヤン自身もこの時やはりマーラーと同じく人生の黄昏時を迎えていたのでしょう。そのためにこの曲に多くの共感を覚えたのかもしれません。
私個人としては、マーラー交響曲第9番のベスト盤としております。
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