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出鱈目経済学の2015年度の経済 三  円安 [出鱈目経済学]

今回は円安についてです。 

今月(2015年1月)から、カップ麺が値上がりになります。円安で、輸入原材料費の価格が高くなったからだそうです。

報道を見聞きしている限り、単純に円安が原因というような内容が多いと思います。マスコミの記者たちって結構な報酬をいただいている割には、大した記事内容を書いていない場合が多いような気がします。いつだったかテレビで閣僚の一人が記者会見している模様が映っていました。記者たちは、パソコンに入力しながら記者会見しているのですが、たまに閣僚の発言内容の言葉じりをとらえて質問できそうな話をしているのに記者たちはパソコン入力に夢中で質問をしませんでした。思わずこいつら全員バカかと叫びたくなりました。本筋から離れていても遠回りして核心を突くことはできると思うのですが。

円安が、輸入物価を上げているというのは、表面だけ見て中身を見ていないのと同じです。いままで円高と言うフィルターを通して世界を見ていたために世界の情勢の変化に気づくのが遅れたのです。

円高の間に、中国、インドなどの新興国の発展による資源の消費の増大、爆発的に増えている人口のために農産物消費の増大が起きており、これが価格を大きく押し上げていたのです。実際、農産物の高騰により、国によっては暴動が起きたほどです。

円安になったおかげで、やっと日本人は、世界経済が異常な状態になっていることに気付くことになります。

原油の回でも述べましたが、原油は円安以上に値を下げています。その結果円安にかかわらず国内の販売価格が下がっています。円安の影響で原油の値段が下がったとはだれも言いません。原油に関していえば、円高の時期、原油の値段が円高よりも高くなり、この時もカップ麺の容器の製造価格が高くなったために値上げの話があったような記憶があります。つまり為替の上下よりも商品相場の上下の方が、実際には影響が大きいと言うのが本当かもしれません。

ここからは出鱈目経済学2015年の予想です。当たるも。それとも外れる。

原油の先物取引に関しては、しばらくの間、1バーレルあたり50ドル台で推移するのではと思います。ひょっとすると原油以外の資源も価格が原油価格につられて下がる可能性があると思います。

食品に関しては、値下がりはあまり期待できないかもしれません。カップ麺の値上がりの原因のひとつになった小麦に関しては、若干下がる可能性があります。(去年過去最高の豊作だったロシアが外貨獲得のために大量の小麦の輸出し始めているそうです。)

円についてですが1ドル120円を超えることは無いような気がします。多分1ドル115円を挟んで±5円のレンジで推移するような気がします。

理由としては、原油価格による資源国の財政悪化が考えられます。ある南米の国に関してはデフォルトの可能性もあります。

次の理由としてEU域内のゴタゴタがあります。2015年1月25日にギリシャでの総選挙の結果次第では、ギリシャのデフォルトが確実になるかもしれません。よほど与党が圧勝しない限り、危機回避は難しそうです。事前調査では野党がややリードしているとか報道されています。

もし、野党が勝利するとギリシャのEU離脱が決定的になるでしょう。ギリシャの野党陣営が、自らの勝利を利用して何らかの譲歩をEUから引き出そうと考えているのならば、考えとしては甘いかもしれません。ドイツの要人の発言やEU関係者の発言を聞いているとギリシャ切り離しやむなしと思っているようです。前回のギリシャ危機とは違い、今回の危機ではギリシャのデフォルトにたいして引き当てが、関係国及び民間のあいだにある程度できているからです。そうであれば、ギリシャをEUから切り離したとしてもEU自体大きなダメージを受けることは無いでしょう。その代りギリシャ国民は地獄のような日々を送ることになるかもしれません。仮に元の通貨(ドラクマ)に戻ったとしても通貨に裏打ちされた信用がないためにEUをはじめそれ以外の地域からの輸入が事実上できなくなる可能性があります。(今のロシアの状況のひどい状態を想像するとわかると思います。)食料品等の大幅な値上げなどインフレーション的な物価の上昇が起こるかもしれません。そうなればEUに対して援助を求めるかもしれませんがはたしてEUが支援に回るかどうか。人道的援助くらいはするかもしれませんが。

EU加盟国に関しては、ギリシャ以外の国でも色々と問題を抱えており、EU自体の存続がはたしてこのまま順調に続くのか疑問が残ります。ひょっとすると近い将来単一通貨のユーロの消滅、元の通貨の復活が起きるかもしれません。もしそうなれば、EU域内での経済的混乱が長期間続くことになります。

その次の理由として、アメリカの景気回復があります。まだ確実に景気回復するか様子を見る必要がありますが、もし今年確実に景気回復するならば、政策金利の切り上げを視野に入れる必要性があります。今までアメリカは過去日本がしたように大量のドルを発行してきました。そのドルが新興国に流れ、新興国の経済発展に役立ちましたが、利上げが始まると、今度は逆の流れが始まります。そうなると新興国の景気が一気に収縮することになります。(以前アジア危機がありました。)

世界経済を見ていると、すべての国が好景気と言うのはなく、一方が好景気ならば他方は不景気になるようです。

このことにより急激な円安や円高がおきないのではと私は思っています。

かなり以前、日本の多くの専門家たちは、ドル円水準について1ドル120円前後が一番居心地のいいところと言っていました。今回その水準になったわけですがはたして居心地がいいのか悪いのか、これからわかることになることでしょう。


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