ブクステフーデ:ハープシコード曲全集を聞いて [バロック音楽]
ディートリヒ・ブクステフーデ/ Dieterich Buxtehude (1637-1707)は、ドイツバロック音楽を代表する音楽家の一人です。
ブクステフーデの素性について、私はまったく言っていいほど何も知りません。ただ、J.S.バッハが、彼の作品に敬意を表していたということだけは知っています。
今回、シモーネ・ステッラのハープシコード演奏によるハープシコード曲全集を買いましたが、全集と言ってもCD4枚組で収まる量です。ステッラによるオルガン全集は確かCD5枚組で収まる量です。多作家の作曲家ではなかったようです。多分、教会での勤務が長かったからかもしれません。
曲を聴いて思うことは、ブクステフーデっていう人、ものすごく温厚な人だったような気がします。とにかく曲を聞くとホッとする気がします。
組曲が20曲あまり、変奏曲が10曲ちょっと、あとトッカータなどの小品が収められています。
組曲は、いわゆるフランス風組曲です。アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグが基本形で作曲されています。
どういう動機で、変奏曲を作曲したのかわかりませんが、ブクステフーデにとっては大事な形式だったようです。特に、アリア「ラ・カプリッチョーザ」による32の変奏曲 ト長調 BuxWV 250は、演奏に約30分も必要な大作です。
組曲を聴いていると、やさしい調べなのですが、随所に対位法を駆使して作曲されており、多分演奏家泣かせの音楽だと思います、ひょっとするとバッハもブクステフーデの作曲技法に感銘していたのかもしれません。
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