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古い書棚から・・・ヴォルフガング シヴェルブシュ氏の著書の紹介 [本]

闇をひらく光―19世紀における照明の歴史

闇をひらく光―19世紀における照明の歴史

  • 作者: ヴォルフガング シヴェルブシュ
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 1988/03
  • メディア: 単行本

この本は19世紀ヨーロッパにおけるガス燈と電燈の発展と当時の人々がどのようにしてそれらを受け入れたかについて書かれています。
おもしろいのは、日本人とヨーロッパ人との照明としての炎の扱い方に差があることです。
ヨーロッパ人(中国なども含むかもしれませんが)は、松明のように炎をむき出しして使うのに対して日本人は炎を行灯や提灯のように包んで使うという差があります。
1867年、当時の江戸幕府(15代将軍徳川慶喜の時)はその年に行われたパリ万博に使節をおくりパリ万博に参加しています。多分この前後に日本の「炎を包む」文化がヨーロッパに伝わり、例えば裸火で使っていたガス燈や電燈に笠をかぶせて強い光をやわらかい光に変えて使うようになったと考えられます。(カーテンは提灯がヒントになって生まれたという説があるそうです)
光に対する日本人とヨーロッパ人の違いを知る上でもおもしろい著書だと思います。


鉄道旅行の歴史―十九世紀における空間と時間の工業化

鉄道旅行の歴史―十九世紀における空間と時間の工業化

  • 作者: ヴォルフガング・シヴェルブシュ
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 1982/01
  • メディア: 単行本
この著書も19世紀における鉄道の誕生と発展と人々の受容史について書かれています。こちらの著書もおもしろいのでぜひ一度読んでみてください。


追記
著者は違いますが、1867年のパリ万博を知る上で貴重な本の一冊です。
サン・シモンの鉄の夢 絶景、パリ万国博覧会

サン・シモンの鉄の夢 絶景、パリ万国博覧会

  • 作者: 鹿島 茂
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 文庫

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