古い書棚から・・・ヴォルフガング シヴェルブシュ氏の著書の紹介 [本]
この本は19世紀ヨーロッパにおけるガス燈と電燈の発展と当時の人々がどのようにしてそれらを受け入れたかについて書かれています。
おもしろいのは、日本人とヨーロッパ人との照明としての炎の扱い方に差があることです。
ヨーロッパ人(中国なども含むかもしれませんが)は、松明のように炎をむき出しして使うのに対して日本人は炎を行灯や提灯のように包んで使うという差があります。
1867年、当時の江戸幕府(15代将軍徳川慶喜の時)はその年に行われたパリ万博に使節をおくりパリ万博に参加しています。多分この前後に日本の「炎を包む」文化がヨーロッパに伝わり、例えば裸火で使っていたガス燈や電燈に笠をかぶせて強い光をやわらかい光に変えて使うようになったと考えられます。(カーテンは提灯がヒントになって生まれたという説があるそうです)
光に対する日本人とヨーロッパ人の違いを知る上でもおもしろい著書だと思います。
この著書も19世紀における鉄道の誕生と発展と人々の受容史について書かれています。こちらの著書もおもしろいのでぜひ一度読んでみてください。
追記
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