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古い書棚から・・・超高速に挑む―新幹線開発に賭けた男たち。 [本]

超高速に挑む―新幹線開発に賭けた男たち。

超高速に挑む―新幹線開発に賭けた男たち。

  • 作者: 碇 義朗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1993/02
  • メディア: -

東海道新幹線が開通して40年以上になりますが、この本は東海道新幹線開業までの経緯を扱っています。
新幹線開通に至る経緯を扱っている本は他にも色々とありますが、大きな流れはどの本を読んでも一緒だと思います。
それよりも読んでいて気になる点をいくつか・・・・。

開業当時、三島駅はできていませんでしたが将来の需要を見込んで駅用地を事前に購入していたのを会計検査院が
「無駄遣い」
と指摘したそうです。でも後に三島駅は開業していますからこの指摘は間違っていたことになります。おまけに土地の値段が上がる前に購入していたとすれば余分な費用を使わずに済んだことになりますからこの点から見ても会計検査院の指摘はおかしいということになります。そういえば、最近「無駄な道路」の話がよく出てきますが、会計検査院が「無駄な道路」と指摘した話をあまり聞きません。これは会計検査院の仕組みが多分そう言わせているのだと思います。
ではいったい会計検査院にとっての無駄遣いとは・・・。と言いたいのですがこの辺で止めときます。

次に報道についてですが、朝日新聞は、東海道新幹線建設当時から
「20世紀の万里の長城」
と批判し続けました。開業後も東海道新幹線が黒字化するまで色々と批判していたそうです。そして黒字化以後はピタッと批判を止めてしまったそうです。
報道が批判することは別に何の問題もありません。おおいにやるべきだと思います。しかし批判するには批判するための根拠が必要となってきます。もしその根拠が間違っていたり、あるいはその根拠が時間と共に変化していたならば当然報道は読者に対してそれを知らしめる義務を負うと思います。仮に間違ったままの根拠を示しておきながらそれを修正しないでほったらかしにしていれば読者は間違ったままの根拠で物事を判断することになります。場合によってはそのために不利益を被るかもしれません。その時はたして報道は責任を取れるのでしょうか。

さて最後に
実はこの本、廃刊になっている惧れがあります。もっとも先にも書きましたが東海道新幹線に関する著書は他にもたくさんありますのでそれらを参考に読んで頂ければいいのではと思っています。


「夢の超特急」、走る!―新幹線を作った男たち (文春文庫 い 68-1)

「夢の超特急」、走る!―新幹線を作った男たち (文春文庫 い 68-1)

  • 作者: 碇 義朗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫
新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)

新幹線をつくった男 島秀雄物語 (Lapita Books)

  • 作者: 高橋 団吉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本

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コメント 2

MANTA

>朝日新聞は、東海道新幹線建設当時から「20世紀の万里の長城」
>と批判し続けました。
初めて知りました。マスコミも国民もみんな諸手を挙げて新幹線を歓迎した
のだと思いこんでました。

>その時はたして報道は責任を取れるのでしょうか。
おっしゃるとおりです。マスコミはいつも言いっぱなしですね。
by MANTA (2008-03-08 09:30) 

キリンさん

コメントありがとうございます。
マスコミには批判されるわ、我田引鉄の時代で議員さんによっては、新幹線建設のためにローカル線の建設予算を切った新幹線の生みの親、当時の国鉄総裁十河信二の失脚を狙う者さえいたそうです。

by キリンさん (2008-03-09 01:59) 

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