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JR奈良線はいつ複線化されるのか? [旅行・観光・鉄道・バス]

今年の夏、十数年ぶりにJR奈良線(ここでは便宜上JR奈良線は京都・奈良間を示します。)に乗りました。

少しは変化したかな・・と思いつつ乗りましたが昔のまま、府庁所在地と県庁所在地を結ぶ幹線なのに相変わらずほぼ全区間単線のままでした。ただいくつかの駅では駅舎の改修工事が行われていました。

JR西日本になってから福知山線は、電化、尼崎・篠山口間は複線化されています。山陰本線も京都・城崎温泉間が電化、京都・園部間が複線化されています。

しかしそれなのに奈良線は、単線のまま現在に至っています。本来なら先にこの区間が複線化されるべき路線だと思うのですが現状維持のまま今に至っています。

いったいこの差はどうして生まれたのでしょうか。

単純に言うと、福知山線・山陰本線は政治路線になってしまったのに対して奈良線は今だに政治路線になっていないというのが今日奈良線が単線のまま残っている原因だと思います。

その昔、福知山線が現在の姿になる前、何度か乗ったことがありますが、駅に着くたび、あるいは走行中の車内から「電化複線化」の垂れ幕やのぼりを見た記憶があります。現在でも、山陰本線綾部・園部間を複線化しようという垂れ幕をこの区間を通ると各駅で見ることができます。福知山線も全線複線化の垂れ幕を掲げているところもあります。

それに対して奈良線沿線の静かなこと!何一つ早期全線複線化の垂れ幕を見ることはありませんでした。

奈良線の場合、福知山線・山陰本線と違って並行して近鉄京都線が通っています。近鉄京都線は全線複線でおまけに標準軌道、特急や急行が頻繁にそれもJRよりも早く運行されています。正直言って今のJR奈良線では分が悪いといえると思います。ついでにJR奈良線のダイヤを見てみると、一番運行本数の少ない時間帯でも上下合わせて12本の電車が運行しています。単線なので約5分間隔で電車が走っていることになります。これではスピードアップを望むのは不可能だと思いますし将来運行本数を増やそうとしても無理が生じることになります。余談になりますが京都駅の新幹線口で立っていると新幹線から近鉄特急へ乗り換える修学旅行生たちをよく見かけます。JR西日本にしてみれば損しているように思うのですが・・・。

JRのない沖縄県を除くと46都道府県中唯一県庁所在地の駅で特急が停まらない駅は奈良駅だけです。というよりダイヤ設定が普通と快速しかないから当たり前ですが。確かに昔は特急の運行もありましたが利用者不足ですべて廃止になってしまいました。特急が走っていれば遠距離運賃低減や特急継続乗車割引が適用されて近鉄に乗り換えるよりも安くなるかもしれません。JR西日本にとっては本当にもったいない話です。もっとも京都始発の特急の設定は過去にはありませんでしたが。

では奈良線全線が複線化が完成したとして色々と考えてみました。ただし一部の駅には待避線建設が必要になるかもしれませんが。

◎ 初めに快速電車のスピードアップが可能になります。
◎ 通勤時間帯に快速の設定が可能になります。現在設定されているみやこ路快速(京都・奈良間)と大和路快速(大阪環状線・奈良間)を一本化して運用できるようになります。大阪環状線・木津間は8両編成、木津で車両を切り離して木津・京都間と木津・加茂間は4両編成で運行します。(時間帯によっては木津・京都間6両、木津・加茂間2両もありうるかも)
◎ ここから鉄チャン的になりますが、特急電車の設定を行います。ルートは、京都・(六地蔵)・宇治・(城陽)・奈良・(郡山)・(法隆寺)・王子・(久宝寺)・天王寺(ここで進行方向が逆になって)・関西空港間です。()で表示している駅は一部の電車が停車する駅という意味です。
つまり京都・新大阪・関空が関空特急第1ルートに対して京都・奈良・関空はその第2ルートとなるわけです。しかし第1ルートは、関空特急としての役割しかありませんが、第2ルートはふたつの役割を持たせることになります。ひとつは関空特急として、もうひとつは京都・奈良間に関しては観光特急としての役割も持たせることになります。つまり京都で新幹線から近鉄に流れていた修学旅行生を取り戻そうということです。奈良線沿線には平等院で有名な宇治駅もあります。
奈良・関空間は、言うまでもなく関西本線沿線から乗り換えなしで関空まで行けるようにするためです。重い荷物を持って跨線橋を通って天王寺駅校内を移動するのは大変ですから。それに外国人観光客の中には、奈良へ行きたがる人が案外多いので乗り換えなしで奈良まで行けるのは外国人にとっても便利かもしれません。

余談になりますが、最近、奈良県知事が観光客激減を食い止めなくてはいけない趣旨の発言をしていましたが、その前に公共交通機関の整備が必要なのではないかと私は思います。と言うのも大阪に住んでいる私でさえ
「奈良県は足回りが不便な県」
というイメージがぬぐえないからです。マイカーを持っている人は別にしても公共交通機関を使って大阪から奈良へ観光に行こうと思う人は多分少ないように思います。奈良へ行くなら京都へという風にです。特にこの前台風の大きな被害を受けた奈良県南部はなおさらです。

公共交通機関を利用しやすくすることは地元の住民だけでなく観光客にとっても有益になります。

もし、財源がないのならば以前にも言いましたがガソリン税の一部を公共交通機関維持のために回せばいいことです。ガソリン税の使用目的を公道の維持管理などに限定すれば公共交通機関維持のための補助金が捻出できるはずです。

話が段々ずれてきましたのでこのくらいにしておきますが、JR奈良線を複線化するには、京都府の協力なくしてできません。実際路線名はJR奈良線となっていますが、路線のほとんどが京都府内にあるからです。もし本気で奈良県知事が観光客の数を増やす気があるのならばまずここから始めてみるのもいいかもしれません。そうすれば観光客以上に沿線住民の生活が便利になります。便利になれば人もあつまりやすくなりますから。

最後に、特急と快速電車の停車駅表を載せておきます。

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コメント 1

ぷららーる

京都というお土地柄もでしょう。

京都で用地買収を実施すると他府県よりかなり大変だそうです。

そりゃ、ずーーっと住んでるわけですから、そう簡単には・・・

京都府職員の中身を見てもそう思います。あんなに組合派閥のある組織も珍しい。

よくいえば伝統的だけれども、悪くいえば因習的というのが京都のようです。
用地買収うまくいきますかね。特に京都と奈良ではね。埋蔵文化財も相当ありそうですし。
by ぷららーる (2013-01-08 14:43) 

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